AJ代表日記

AJ代表 森田汐生のつぶやきを記します

言葉にして伝えること

29日から文京区で、「障害を持つ人と持たない人と一緒に行うアサーティブトレーニング」、4回連続講座を始めました。今回財団から助成金をいただいて主催団体となったのは、文京区の自立生活センターです。

アサーティブネスの考えをしっかりと位置づけて、“解放(liberation)”の試みとつなげて取り組んできたのは、日本においては障害を持つ女性たちでした。自己信頼を高め、そして相手を攻撃することなく、反対に卑屈になることなく、しっかりと自己主張をしていくことの重要性をいち早く、当事者自身の取り組みとしてプログラム化してきたのです。

個人的には障害を持つ当事者の自立生活運動メンバーとは、15年以上の長いおつき合いをしています。久しぶりに当事者の方々と一緒にやることができて、大変嬉しく思いました。

アサーティブネスは、立場や価値観の違う人同士が、対等に話し合い、問題解決をしていくための、非常に具体的なコミュニケーションの方法です。その“立場や価値観の違い”を超えてコミュニケーションをすることの必要性を、心から痛感している様子が伝わってきました。

「立場の違い」や「価値観の違い」を目の当たりにするのは、会社や組織の中で仕事をする場合が一般的です。しかし障害を持つ当事者たちは、まさに「日常生活」の部分でそのことと向き合い続けなければなりません。

頼んだり断ったりするという行為に“生活がかかっている”ということを、これほどまでに実感として感じているグループはないだろうと思います。食べること、外に出ること、洋服を着ること、本のページをめくることさえ、一つひとつを、「○○してください」と言葉にして頼まなければ何も動いていかない現実。

介助者の機嫌をそこねたら、気持ちよく介助を受けられなくなるのではないか。
「こんなことを頼んでいいのだろうか」、という不安を越えて、「私にとって重要なことだからお願いします」と、生活のあらゆる場面で「他者への」言語による伝達が必要になるということです。

家族であれば、言わなくてもやってもらえる部分があります。しかしながら、24時間介助を受ける人たちは、そんな甘えは許されません。

講座の中で、対等性や率直な自己主張、ということが胸に染み渡るように共感されていく様子が感じられて、本当に、共にやっているという感じを受けることができた時間でした。

ことばの力をつくして

大変ご無沙汰しています。9月に入って猛烈に忙しくなり、各地を飛び回っていました。あっという間に虫の声が聞こえる秋になりました。

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先日、同僚から紹介された本を早速書店で買い求めました。
『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』(井上ひさし 講談社)です。

その中の「第9条」にはこのように書かれています。

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どんな国も自分も自分を守るために
軍隊を持つことができる
けれども私たちは
人間としての勇気をふるいおこして
この国がつづくかぎり
その立場を捨てることにした

どんなもめごとも
筋道をたどってよく考えて
ことばの力をつくせば
かならずしずまると信じるからである

よく考えぬかれたことばこそ
私たちのほんとうの力なのだ
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「よく考えぬかれたことばこそ 私たちのほんとうの力」である。
なんと力強く、美しい表現でしょう。よく考えられたことばの力を尽くして対話を続けることこそが、暴力でも戦争でもなく私たちの相互理解を生み出すことができるのだと、日本国憲法に書かれてあることに改めて感動を覚えています。

ことばの力というものは、よく理解し、深く感じ、それを丁寧に言語化した、その先にあります。

よく考えぬかれたことば、腹が立ったときに「むかつく」と言ったり、できない場合にすぐに「無理」と切り捨てたりする言葉のことではありません。
私が何を感じ、何が問題だと思い、それを私はどのように考え、どうしたいと希望するのか。ひとりではなく、目の前にいるあなたと一緒に何ができると考えるのか。

それを、まっすぐ、誠実に、対等に言葉にできる力のことであると私は信じています。