日本語は、ストレートな表現をなるべく避けながら、相手に自分の思いを伝えようとする言語構造のようです。そのため、日本語で「○○と思う」とか「○○な気がする」という表現をアサーティブな表現にして伝えようとすると、しばしば混乱が起きてしまいます。
英語であれば、「自分の考え」を述べるときは「I think ・・・」で始まりますし、「自分の感情」を伝えるときは「I feel・・・」で始まります。
Thinkの後には自分の考えが来ますので、気持ちとごっちゃになることはあません。
しかし、日本語でよくあるのは、「○○だと思う」とか、「○○のような気がする」という表現です。
例えば。
「最近仕事のミスが続いているが(事実)、何か悩んでいることがあるんじゃないかと思ってるよ(感情)。何かあったら相談してください(要求)」
この「思う」とは、「I wonder」という推測(考え)、あるいは「I see you・・・」という状況描写の表現であって、感情の言葉ではありません。
感情表現となると、「I feel concerned(心配している)」となるはずです。
このように、「気がする」とか「思う」を感情の言葉であるとすると、自分の本当の気持ちがわからなくなってしまいます。
日本語には、擬態語や季節描写のような言葉はすばらしく豊かな表現がありますが、こと自分の感情表現となると実際に使える言葉は比較的少ないようです。感情の言葉を自分の中で「使える語彙」として持っていないと、感情を的確に言葉で表現できずに、それが不適切な態度になったり、相手への罵倒の言葉となってしまう危険性があるのではないでしょうか。
自分の思いを相手に的確に伝えたいのであれば、なるべく伝わる言葉で具体的に、そして気持ちは気持ちとして表現できるようになるといいですね。