アサーティブなコミュニケーションでは、「自分の気持ちを言葉にする」ということが、一つの重要なポイントとなっています。
しかしながら、気持ちを「どのように」言葉にするかによっては、相手の口をふさいでしまうことがあります。
例えば、身近なパートナーとの会話で。
「流しが汚れているのを見ると、私はとても悲しくなる」
「そんな風に言われると、私はとても傷つく」
「子育てに協力してもらえなくて、私はとてもつらい」
そのように一方的に言われた側は、なかなか言い返すことができなくなるのではないでしょうか。それは、気持ちを伝えた側が、「こんな気持ちになったのはあなたのせいだ」と、暗に相手を責めているからです。
自分のネガティブな感情は相手のせいで引き起こされた、というメッセージが裏にあると、「気持ちを言葉にする」行為は、結果として相手を攻撃し、相手の口を封じてしまいます。
夜中に音楽をかけている隣人に、「イライラする」、「むかつく」、「腹が立つ」などの気持ちを伝えたら、その隣人との関係が悪化することは目に見えていますよね。
ですから、アサーティブトレーニングで、「気持ちを言葉に」する場合、どの感情をどのように言語化するかは大変重要なプロセスとなります。「適切な言語化」というのは、思った以上に難しいのです。
感情に振り回されることなく、感情を言語化することが、アサーティブなコミュニケーションの一つの目的ですが、生まれた感情は誰のせいでもなく自分の責任で引き受けることが、「言語化」の大事なスタート地点となります。
そのためにも、自分の気持ちで相手の口を封じてしまうことの危険性を理解し、自分の気持ちの言語化に注意深く向き合ってみるといいでしょう。